映画制作事業

株式会社ヌーヴォでは映画制作という映像業界ではある意味「最高峰」のジャンルに挑んでいます。
何故「映画」なのか?と問われると、単純に「好きだから」という想いと「会社の縦軸としての目標」ということになります。「縦軸」とは会社の最重要課題である「日々の業務=売上向上」という「横軸」に対しての独自の考え方で、売上などをある程度除外し、芸術的に、そして自分たちのアイデンティティを純粋に世界に向けて発信できる個人および会社の方針として最善のジャンルだと思うからです。このコーナーでは「映画づくりから見えること」「映画の力」「映画と地方創生」という3つのキーワードでお話ししていきます。

1,映画づくりから見えること

映画という「時間」と「予算」と「エネルギー」を莫大に消費し、自分たちの思想なり、何らかの考え方を世に送り出す、という作業はやはり一筋縄ではいかないし、相当の障壁が存在します。その障壁を越えた地点に「映画」ならではの大きな達成感なり、満足感が存在します。当然このことですがこのことは評価や興行的な領域ではありません。今回、私たちは映画『かぐらめ』(※2015年全国公開)の制作を通して様々なことが見えてきました。

1つには、日本における映画産業の現実です。ネット配信など新しい視聴スタイルが確立されつつある今、映画の興行という昔ながらの営業形態では東宝さんなどの大きな映画は別にして、多くの映画館や映画関係者は大変な想いで日々作品づくりをしている、という現実です。簡単に言ってしまえば斜陽産業と言えるかもしれませんが、このような言葉で簡単に片付けてはいけない大事な芸術的産業だと考えます。だからこそこの現実を少しづつでも変化させ、未来へ渡していかなくてはいけないと強く感じています。

2つ目には、映画制作という「独特の世界観」。普段広告業務を生業にしている弊社では、基本的にクライアントの欲求を何らかの手法や演出で表現し、エンドユーザーに認知や購買などのアクションを起こしてもらうことを前提に「映像づくり」をしています。そんな広告映像の現場とはおおよそ異次元な感覚を感じずにはいられません。恐らくそれは「誰かのため」という次元にさらに「自分たちのため」という根本的な人間の欲求が孕んでいるからだと思っています。

2,映画の力

やや前項の続きになりますが、ここでは「映画が持つポテンシャル」についてお話しいたします。まずその歴史は1890年代後半まで遡ることができます。当時の映画は、画像のみで音声のないサイレント映画と呼ばれるもので、皆さんもチャップリン映画を見たことがあることと思います。日本での最初の「映画=活動写真」の制作は1899年(明治32年)で「稲妻強盗/清水定吉」という作品が公開されました。

その後、日本を含む世界で数々の名作が制作されてきました。
先人の多くの情熱と努力、そして映画というエンターテイメントを支える市民が一体となり映画産業が隆盛してきた経緯があります。日本人でも世界的に活躍した名監督や名優などその功績はあまりにも大きいものです。そんなバックボーンの中、自分たちにも映画づくりができる、ということは誠しやかに有難くもあり、幸せなことでもあります。
以上のように「映画という世界標準の芸術文化」は日本だけに留まらず、世界中の人々に観ていただけるチャンスがあるのです。またその受け皿も世界的に標準化されていることと思います。

そこでまず頭によぎるのは様々な国や地域で開催されている「映画祭」の存在でしょう。映画祭もその趣向や思考傾向など多種多様なジャンルが存在しています。その良し悪しではなく、国民性や民意など世界の映画の見方というものは非常に興味深いものがあります。

映画『かぐらめ』もおかげさまで2015年にモントリール世界映画祭やセントルイス国際映画祭に正式出品させていただき、カナダ国際映画祭ではRoyal Reel Winners Feature Competitionで受賞させていただきました。このように日本の片隅で制作された小さな小さな映画が海を渡り、多くの外国人に見ていただけるということは、本当に映画祭という素晴らしい環境に感謝せずにはいられません。このように「映画の力」というのは素晴らしい先人たちが築き上げた人間文化の歴史でもあり、未来への最高のプレゼントでもあるのです。

3,映画と地方創生

私たちが制作した映画『かぐらめ』は山梨県都留市を舞台に伝統芸能と家族愛を表現した感動作品です。この映画は自社の単独企画であり、地方のギリギリ残された伝統芸能を何とか映像というフィルターで後世に残し、少しでも伝統の継承という部分で役に立てないか?という考えがスタート地点にありました。

このような地方を題材にした映画は国内でも数多く制作されていますが、私たちが制作にあたってコンセプトを考えた時、決して「ご当地映画にしない」という思いがありました。こう言うと「ご当地」に失礼かと思いますが、事実です。というのもご当地を題材にするということは、ややもするとその地の観光PRカラーが出過ぎてしまい、本質的な創造的訴求項目が薄れてしまう可能性があると考えたからです。

とは言うものの、この映画『かぐらめ』は前述の都留市の市制60周年記念協賛事業と位置付けていただき、大きく動き出したこともまた事実です。撮影までの道程では、都留市長の多大なご協力のもと、関係所管への告知、そして大きかったのが地元有力企業への働きかけによる協賛金の獲得でした。また、撮影中には地元市民の絶大な協力、例えば題材になった「神楽」の保存会による監修や市民の200人規模のエキストラ参加、また地元にある大学の全面的な協力等、「まち」が一体となってこの映画を支えてくれました。また、著名な役者陣が「我がまち」に来る、ということも「まち」全体が活気付いた一因になりました。

いずれにせよ、行政・学校・企業・市民・キャスト・スタッフの力で映画という大きな事業を動かすことができたのです。
そこで「地方創生」という観点から映画というものを考えてみると、結論的には大きなPR効果が発揮できたと考えています。と言うのも、まず映画という社会性のある事業が

「広くマスコミに伝播してもらいやすい(ニュース的には最適)」ということ。
そして「著名な役者陣のおかげで全国区でPRができた(Yahooニュースなどへの露出)」ということ。
さらに「制作発表から映画祭出品まで多くの事象でマスコミ露出ができた」という事になると思います。

ちなみに地方・全国区のメディア(TV・新聞・ラジオ・WEB・雑誌)露出は100回を超えるものになりました。これは地方ネタでは相当のPR露出量になります。制作発表記者会見にはじまり最後は映画祭受賞まで、長期間に渡りPRできたことは映画ならではのPR効果だと考えています。

今、日本は「地方創生」という国家の強いビジョンで全国の市町村が動いています。そんな中「地方PR動画」なるものが地方の認知や観光集客、さらに定住・移住のきっかけになる役割を果たしています。「動画」だけで何とかなることだとは考えていませんが、現状では1つの方法論として「地方PR動画」はまだまだ有効な手段だと考えます。そんな中、私たちヌーヴォは全国の市町村の「地方創生」という大義の中、「映画」や「PR動画」という表現手法で「日本の大切なもの」を日本全国および世界に発信し、後世に残していきたいと強く感じ、行動しています。

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